2012年8月の売買電量を見ながら東京電力の料金プランを検討する


 以前、6月分の売買電量を紹介したが、8月分も検針が無事終了した。7月分は1週間ほど帰省で不在だったために買電量が多かったので8月分を貼るとともに、1時間おきに消費電力量、発電量を記録しているので、それを元に従量電灯Bから時間帯別課金に変更した場合にどれくらい変わるかを計算してみたい。

 まず、8月分の買電量は以下の通り。

8月分買電量

 現在買っている電力量がリアルタイムで確認できるようになったこともあって節電意識が強くなったことと太陽光発電の導入、稼働しているサーバの整理で、前年比43%の節電となった。ただし、残念ながら未だに3段料金になっている。

 これに対して売電量は以下。

8月分売電量

 余剰分が173kWh、7,266円で売れたので、差し引きは5,589円の支払いとなる。ただし、これに太陽光発電の償却分が加わるので、それを加えてだいたい2.8万程度だろうか。

 さて、現状、我が家では毎時59分にその日の消費電力量と発電量を取得し、1時間前のデータから差し引いて1時間単位の消費電力量と発電量をMySQLに保存している。毎時59分なのは、電力モニタ JH-WRL3 がその日の消費電力量と発電量を表示するからで、0分に取得すると23時分が正しく取得できない。
 このデータによると、8/6 0:00〜9/4 23:59の総消費電力量は 703.8kWh となった。実際の検針は昼間のある時間に来る検針のタイミングで前月の検針分から差し引いて求められるが、今回は 8/6 0:00〜9/4 23:59 で集計しているので、約 24 時間分ほど多くなっている。にもかかわらず去年の消費量 835kWh からみると 15.8% も減っているのは、やはりそれだけ消費電力量が見える化されたことで節電意識が働いたということだろう。

 また意外に大きいのは、これまで屋根から室内に伝わっていた太陽光が太陽電池パネルでエネルギー化されることで、その分室内に伝わるエネルギーが減っていることだと思う。これにより、明らかに昨年よりも室温が下がっており、その結果、エアコンに使うエネルギー量も減っていると思われる。

 次に、蓄積したデータを元に、時間単位でどういった消費・発電をしているかをグラフ化してみた。

8/6〜9/4 電力需給状況

これは時間帯別に28日分の平均を取ったものをグラフ化したものになる。

 最後に、1時間毎のデータを元に、現状の時間帯と関連性のない料金体系の従量電灯Bと、東京電力の料金プランの中で時間帯別料金テーブルを持つおトクなナイト8・10ピークシフトプランだといくら位になるかを計算してみたい。まず、それぞれのプランは以下のとおりとなる。

従量電灯B
基本料金は契約容量に応じる。時間帯別課金なし。電力使用量に従って最初の 120kWh までは 1kWh あたり 18 円 89 銭、300kWh まで 1kWh あたり 25 円 19 銭、それを超えた分は 1kWh あたり 29 円 10銭 と 3 段階制になっている。
おトクなナイト8
家庭向けの場合、60A まで基本料金は同じ。午後 11 時から翌朝の午前 8 時までは夜間料金となり 1kWh あたり 11 円 82 銭、それ以外の昼間は 1kWh あたり 30 円 87 銭。段階制なし。
おトクなナイト10
家庭向けの場合、60A まで基本料金は同じ。午後 10 時から翌朝の午前 7 時までは夜間料金となり 1kWh あたり 12 円 06 銭、それ以外の昼間は 1kWh あたり 33 円 06 銭。段階制なし。
ピークシフトプラン
基本的にはおトクなナイト8と同等だが、昼間料金が 28.18 円のかわりに 7 月〜 9 月はこれ以外に午後 1 時〜午後 4 時のピークタイムが設定され、この時間帯は 1kWh あたり 53 円 16 銭。段階制なし。

 次に計算条件だが、料金体系は 8 月分も値上げ後の料金テーブルで計算した。また、実際の検針は昼間に行われるため、昼間のある時間が起点と終点になっているが、今回は期間内の午前 0 時から午後 23 時までのデータで計算した。JH-RWL3 の誤差と相まって、実際の検針内容とは差分が発生する。

 実際に計算してみると、それぞれ以下のとおりとなる。ただし、燃料費調整、太陽光発電促進付加金などは加算していない。

従量電灯B
703.8kWh 全てを購入したとして 20,189円、実際に購入した電力ベースだと 12,320 円。
おトクなナイト8
夜間料金分 194.1kWh、昼間料金分 239.3kWh で計 10,291 円。
おトクなナイト10
夜間料金分 198.5Wh、昼間料金分 234.9kWh で計 10,082 円。
ピークシフトプラン
夜間料金分 194.1Wh、昼間料金分 226.2kWh、ピークタイム分 13.1kWh で計 10,624 円。

 このタイミングだとおトクなナイト10が一番お得に見えるが、ピークタイム以外は昼間料金が安いピークシフトプランもトータルでは安くなる可能性がある。いずれにしても、太陽光発電で昼間の電力購入量を減らすことができたので、従量電灯B以外の料金プランが安くなるのは間違いない。

 以上を踏まえると、従量電灯Bのままでも 7,800 円の削減、さらに料金プランを変更することで 10,000 円の削減となる。さらに売電分 7,266 円を考慮すると、太陽光発電を導入することで 1.7 万円分の効果があることになった。これは、国、都、市からの補助金約 70 万円を考慮した月あたり導入費用と比較すると黒字になる。

 ただし、これは

  • 補助金の額。特にどこから補助金が交付されるかに依存する。我が家は国、東京都に加えて清瀬市からも補助金が出たが、市区町村レベルでは出ないこともあるらしい。
  • 支払い形態。一括か分割か。さらにその支払い回数。一括の場合は一般的に保証期間内の10年で計算。分割で10年を超える場合は、パワーコンディショナの交換コストやその他故障リスクなどを考慮に入れる必要がある。
  • 季節トレンド。当然ながら冬は売電量が少ないし、一般的に春秋が一番発電効率がいいといわれている。

にも左右される。特に季節トレンドについては冬場のデータをまだ持っていないので、本当に導入すべきだったかどうかをデータから判断することはできない。