太陽光発電を設置してみた – 設置までの流れと感想


 我が家では月に1~2回、入間市にあるコストコ入間倉庫店に買い出しに行っている。コストコの隣は三井アウトレットなので、買い出しのついでに服などを買ったりしているのだが、たまたまそこで太陽光発電のイベントをやっていた。やっていたというよりはほぼ常設なのだが、

  • 常時稼働しているサーバ類が3~4台あり、それだけで電気代が500~600Wほど消費していること。
  • 以前より太陽光発電には興味があったこと。
  • 大災害時に若干とはいえ太陽光発電システム単体で自宅に電力供給が可能なこと。
  • 基本的に太陽電池で自家発電した電力を使い、不足分のみを東京電力から買電すること。余剰分は東京電力に売電できること。
  • 太陽光発電促進付加金を払うだけなのは癪なこと。

より、太陽光発電システムの設置に興味があったので話を聞いてみて、実際に施工してみた。

 メーカーはシャープにした。理由は簡単で、電力モニタ自体に WEB サーバ機能があり、稼働状況をモニタリングできそうだったから。契約までの実際の流れだが、だいたい以下の流れになる。当初は最大出力 5.89kW の予定だったが、屋根の図面と実際に差があり、最終的に NQ-190AA × 20 枚で 3.8kW となった。

  1. 5/8: 契約
  2. 5/14: 工事事前現場調査
  3. 5/21: 契約内容変更
  4. 6/7: 設置工事
  5. 6/21: 系統連携

 太陽光発電システムそのものの設置は上記の通り 6/7 で、この日は確認事項などもあるので有給休暇を取って自宅待機した。結果的にこれは正解で、電力モニタの設置場所の確認やサービスで設置していただいた屋外コンセントの確認など、いくつか確認事項が発生した。なので、工事時には対応できる体制というのは必要だろう。

太陽光発電システム設置工事中
太陽光発電システム設置工事中

 パネル 20 枚、パワーコンディショナ、電力センサ、電力モニタの設置そのものは 1 日で作業が完了したが、この時点では東京電力所有の電力系統に接続できないため、太陽光発電システムと電力系統を繋ぐブレーカーは落としておく必要がある。

太陽光発電システム
太陽光発電システム

 設置完了後、1 週間~ 1 ヶ月ほどで東京電力との系統連携が行われ、この時点で売電が開始される。また、系統連携の数日前~前日に売電用メータの設置工事もある。太陽光発電システム設置、売電メータ設置、系統連携前の電力調査全てのタイミングでブレーカーを落とす必要があるので、自宅サーバがある場合はシャットダウン手順を完備しておく必要がある。

 さて、今回設置したシャープ製のシステムの場合、電力モニタに WEB サーバ機能がある。

電力モニタJH-RWL3
電力モニタJH-RWL3

 シャープ側のサーバにデータを送信することで出先から発電量の確認も可能だが、宅内では LAN に接続することで LAN 内から発電状況などがモニタリングできる。特に JH-RWL3 の場合は無線 LAN に対応しているので、無線 LAN さえあれば接続もスマートにできるようになった。我が家では DHCP ではなく固定で IP を振ることでアクセスしやすいようにしている。

JH-RWL3での状況表示
JH-RWL3での状況表示

 そんな JH-RWL3 だが、どうやら lighttpd + PHP で動作しているらしい。lighttpd で動作しているかどうかはヘッダで確認できる。

$ curl -I http://192.168.1.5/pc/
HTTP/1.1 200 OK
Content-type: text/html
Pragma: no-cache
Cache-Control: no-store, no-cache
Date: Sun, 04 Jan 1970 10:43:29 GMT
Server: lighttpd/1.4.29

 lighttpd が返す時間は起動時からの積算時間になっているが、電力モニタ側で正しく時間が設定されていれば動作としては問題ない。というより、電力モニタ側で正しく設定されていてもここの時間は起動時からの積算秒数を UNIX Epoch として日付にしていると思われる。

 PHP かどうかの判定だが、これはマニュアルを確認すれば JpGraph のライセンスが書かれている。JpGraph で生成した「今日の実績」「これまでの実績」で表示される。

JH-RWL3実績画面でのグラフ
JH-RWL3実績画面でのグラフ

 ただ、この実装には問題もある。HTML を表示するタイミングでグラフを更新しているらしく、HTML が崩れた状態で 10 秒ほど待たされることがある。一度グラフを生成してしまえばしばらくはその生成されたグラフをキャッシュしているのだが、一定時間が経てばまた同様にグラフ生成処理が実行されるらしい。実装の問題というより CPU の問題かもしれないが、やはり画像生成・キャッシュの管理はグラフ取得リクエスト時にやるべきだと思う。でなければ今回のように HTML の途中で通信が止まってしまい、ブラウザによっては若干崩壊した表示になってしまう。

 また、CPU 能力の問題で、グラフ生成中に別途 5 リクエストほど行うと電力モニタ側の処理が追いつかなくなり、タイムアウトする場合がある。電力モニタの WEB 画面表示で太陽光発電システムの死活監視などをやってみたが、この問題に当たって ZABBIX 側で死んでいる判定されることがあった。

 いずれにしても、シャープの太陽光発電システムは Web エンジニア的にはなかなか面白いことができると思う。Panasonic 製や東芝製だと太陽電池の効率がさらに高かったり (ただし、東芝は海外メーカの OEM) とメーカごとにいろいろと特徴もあるので、導入の際は主眼をしっかり定めて検討すると良いと思われる。

 また、現在の売電価格は、発電能力が 10kWh 以下の場合は kW あたり 42 円と買電の 2 倍前後の価格となっている。これは当然補助金などが含まれた金額であり、いわゆる均衡価格的なものではない。そのため、来年以降は低下する可能性が高く、下世話な話ではあるが
相対的に高めの売電価格で東京電力と契約したいのであれば急いだ方がいいだろう。