ドライブレコーダーVD-3000JとDR-3000を試してみた


 ながらくblogを放置してしまった。

 さて、少し前になるが、YouTubeで岡山県倉敷市霞橋での衝撃的な事故の動画がupされていた。被害者家族の方が作っているサイトによると、相手のシエンタは携帯でメールしながらハンドル操作を誤ったらしい。こういった大きな事故はそうそうなくても、車を運転していると無灯火で逆走してくる自転車や無理な割り込みなど、ヒヤリハットはいくらでもある。それを踏まえて、ドライブレコーダーを試してみた。

 個人的にドライブレコーダーで欲しい機能は、欲しい順に

  • 常時録画できること。
  • 常時録画中に、各ファイルの間で記録されない時間が発生しないこと。いわゆる「あんしんmini病」が発生しないこと。
  • 音声録音できること。
  • できるだけ画質がいいこと。最低100万画素。
  • 衝撃センサー内蔵であること。
  • GPS内蔵であること。

だろうか。

 自動車用品量販店にあるものは衝撃センサーで衝撃を検知したのみ記録のものが多いが、事故にはならなかったがヒヤリハットな状況を記録できること、また、帰省など、遠出のときの記録ができることが挙げられる。また、常時録画のドライブレコーダーであればで自分の運転について反省会も出来るだろう。
 記録ボタンを押すタイプは、事故のタイミングで押し忘れがありそうだということも追記しておく。

 画質の件はもちろんHD画質が望ましいが、ここはそれ以外の要件とのバランスだと思う。ナンバーなどは最悪音声記録すればいいだろうし、たとえHD画質でもトンネル前後でホワイトアウトしてしまうのでは意味がないだろう。

 GPSについては、これはなくてもいいとは思う。ただ、時計がGPS衛星搭載の原子時計と同期されるために時刻記録が正確であること、速度が記録されることから、停車していたか、制限速度を遵守していたかなど(場合によっては)こちらに有利な記録となりえることから、これはできれば外したくない機能だろう。

 以上を踏まえて、今回試したのは、VISIONDRIVE VD-3000J と mobitech DR-3000 の2機種になる。どちらも国民性なのか、ドライブレコーダーが発達している韓国製である。

 まずはじめに買ったのは VISIONDRIVE VD-3000J。

vd3000j.jpg

 130万画素、衝撃センサー&GPS搭載、音声録音ありと基本要件を満たしているのに加えて、2.4インチ液晶搭載の機種になる。さっそく試してみたが、画質は結構いいものの、心持ち赤っぽいこと、全体的に暗いのが気になった。そして何よりも気になったのが、逆光に非常に弱いこと。

 太陽本体は明るすぎて黒抜けしているだけではなく、逆光で何も見えなくなっている。これでは万が一のときの記録としては全く使えないものになる。
 また、購入時に付いてきたSDカード以外のSDカードを使いたいときは、SDカードに保存されているファイルをコピーした上で、VD-3000人柱サイトを参考に _vd.cfg をバイナリエディタで書き換える必要がある。これが結構面倒くさい作業になるだろう。この2点以外はかなりいいものだし、SDカードにファームウェアが載っていてLinuxカーネル2.6.10ベースだったりするなど、何かと楽しめそうな機種なのだが。

 次に試したのは、mobitech DR-3000。VD-3000J を買う前に前モデルのDR-1000が欲しかったのだが、ちょうど代理店で売り切れだったので VD-3000J にしたという経緯がある。

dr3000.jpg

 150万画素WDR、衝撃センサー&GPS搭載、音声録音あり、WDR(Wide Dynamic Range)というのは高速シャッターと低速シャッターで同時に撮影して合成することで逆光や夜間撮影に対応するというもの。これはかなり期待できる。

 早速取り付けて実際に撮影してみた。まずは逆光シーン。

 空が白飛び気味だが、逆光で全く見えないといったことはない。ダッシュボードがフロントに映りこんでいるが、これはドライブレコーダーの問題ではなく、HONDA FITの問題だろう。

 次に日没直前のもの。

 最後に完全に日が落ちた時点でのもの。

比較対象となる VD-3000J の映像がないのが残念だが、明らかにDR-3000のほうが綺麗に映っている。VD-3000JかDR-3000かどちらがいいか聞かれれば、DR-3000のほうがいいだろう。VD-3000JはLCDが付いているのがメリットといえばメリットだが、実はイベント動画(= 衝撃検知したときに記録される動画)のみしか再生できないという問題がある。取り付け時の画角調整には便利だが……

 ただ、DR-3000にも気になる問題が2点ある。両方とも画質に関わる問題だが、

  • いかにもCMOSっぽいノイズがきつい。
  • 状況によってはブロックノイズが酷い。

 今回のサンプル動画は、子供の声が結構入っていたためにAdobe Premiere Elementsで
音声を消した時点でエンコードがかかった上にYouTubeに上げた時点で再エンコードされているためにあまり気にはならなくなっている。だが、

blocknoise.jpg

をみれば分かるとおり、木が多く映る場合など、風景によってはブロックノイズが酷く出ることがある。MP4のフォーマット的に仕方がないのだが、これはVD-3000Jと比べると大きなデメリットになるだろう。なお、このスクリーンショットは圧縮率を上げるとブロックノイズが出るJPEGだが、VLCでPNG形式で切り出した元画像と比較しつつ、DR-3000で発生するブロックノイズが残る形で圧縮率を下げている。

 PSDBX-HD1000やDRIVEMAN720など、HD撮影対応の機種も出てきてはいるが、最初に挙げた要件とのバランスを考えると、ブロックノイズを気にしなければmobitech DR-3000は非常に良い選択肢にはなると思う。

2011/02/01追記
DR-3000をWDR対応と書いていたが、コメントで英語マニュアルにオプションでWDRとなっているという指摘を受けた。確かに英語マニュアルにのみそのように書かれていて、それ以外は代理店のサイトも含めてWDR対応とは書いておらず、逆にDR-1000には書かれているのでWDRではない可能性が高い。訂正するとともに、コメントをいただいた方に感謝したい。